2008年7月10日木曜日

芦屋市霊園の実情…。


芦屋市の一等地、朝日ケ丘町にある市霊園で、人気が集中する永代使用料約100万円の小区画がほとんど確保できず、販売停止の状態が続いている。
現在の空き区画のほとんどは300万円以上で、一人当たりの個人市民税額が日本一という芦屋市民でも手が届きにくいらしい。区画を細かく分けて提供する方法もあるが、市は「大小の区画が混在するのは景観上、好ましくない」「大区画の所有者に理解を得られない」と踏み切れずにいる。
墓地をめぐる市の悩みは、新築家屋の最低面積を定めた「豪邸条例」に縛られ、敷地を分割して家を建てられない土地所有者の悩みと重なる。

同霊園は1953年の開設。約17万平方メートルにある6,144区画はほぼ満杯で、利用の問い合わせは月に約20十件あり人気は高い。
永代使用料は1平方メートル当たり75万~150万円と、立地の良さからかなり高額で、最大区画(50平方メートル)は7,500万円と全国屈指。これまでの応募では、約100万円の区画(約1平方メートル)に集中する傾向がある。

6月末現在、空き区画は30。
1区画300万円以上の“高額物件”が4分の3を超える。新規造成などは財政難から難しく、解決策は大きな区画の細分化しかない。しかし市は、「墓」を「家」に見立て、「大きな邸宅が並ぶ一角に小さな家が密集していると違和感を抱く」と消極的。今のところ、100万円程度で提供できるのは、大小の区画が混在する一角を分割した6区画にとどまる。

市は「現状で募集をかけても売れ残る区画が多くなりそう」とぼやくが、完売すれば約2億4,000万円の臨時収入。財政難の市には非常に魅力的で、永代使用の権利が戻るなどして小さな空き区画が一定数確保できるまで待つか、売れ残り覚悟で販売するか、思い悩む。

(7/10神戸新聞より )

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